コラム

今後活用が期待される事業協同組合等算定特例

2016.04.08

障害者雇用促進法の改正により、平成30年には法定雇用率の更なる引上げも想定されている障害者雇用。今後、益々障害者雇用に対する取り組みが企業に求められる中で、特に中小規模の企業からは、障がい者が従事する業務を作り出すことが難しいという声も多く聞かれます。このような悩みを抱える企業にとっての解決策となり得るものとして、障害者雇用促進法に定められた『事業協同組合等算定特例』(特定事業主特例)という制度があります。

障害者雇用率制度においては、原則として個々の企業に対して障がい者の雇用が義務付けられています。一方、一定の要件を満たす場合、複数の企業で実雇用率を通算できる制度として、従来の特例子会社制度に加えて事業協同組合等算定特例が創設されました。

この特例は、中小企業が事業協同組合などを活用して協同事業を行い、厚生労働大臣から一定の要件を満たしていると認定を受けた場合は、事業協同組合と組合員である中小企業の間で実雇用率の通算が可能となるものです。(組合員である中小企業を「特定事業主」と言います)。簡単に言うと、事業協同組合のもとで複数の特定事業主が協同して障がい者を雇用する事業を実施。この事業協同組合が実施する事業における障害者実雇用率と、特定事業主の実雇用率を通算できる、というイメージです。また、事業協同組合の他にも、商工組合や商店街振興組合などもこの特例の対象とされています。

中小企業が障がい者雇用に取り組もうとしても、障がい者が従事する業務について個々の企業が単独では確保できないケースも見受けられます。事業協同組合を活用し、複数の中小企業が協同すれば、障がい者の就労機会を確保できる可能性も広がります。今後間違いなく障害者雇用率が引き上げられていくことも見据えると、一考に値する制度と言えるでしょう。

 

社会保険労務士 佐々木淳行

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