コラム

発達障害者の就職(2-1)~キャリアコンサルタント 塚田~

2016.06.20

Aさん(30代半ば)は、ケアマネージャーとして高齢者介護の分野でS社に入社しました。

入社1か月後、S社の社長さんから相談がありました。

「Aさんは、弊社の方針である環境整備が全くできないのです。度を越してひどいです。どのように指導すればよいか悩んでいます。」

 

翌日、S社の事業所に伺ってAさんの仕事ぶりを見させて頂きました。

電話応対、書類作成等、仕事自体には、特別問題があるようには見えませんでした。

でも、机の上や、その周辺に書類が散乱していました。

その後、日を改めて何度かAさんと面談させて頂きましたが、仕事中は相変わらず書類が散乱して、すごいことになっていました。

 

ある日、突然Aさんが私に言いました。「私、アスペです・・・」

高校生位のときから、周囲との関係がギクシャクする事が多くなり、社会生活もうまくいかず、20代後半になって初めて医師の診断を仰いだそうです。

 

診断結果は、〝アスペルガー〟・・・Aさんいわく「正直、安心しました。」

そして、「アスペルガーと診断されて以来、周囲とうまくやるにはどう振る舞えばよいのかを、肯定的に考えられるようになれました。」とのこと。

さらにAさんいわく、「今では、周囲に迷惑をかけないよう、適切な振る舞いができるようになってきました。でも、真剣に仕事をすればするほど、整理整頓がどうしてもできないのです。」

 

Aさんは、私が何のためにAさんに会いに来るのかも、全て分かっていました。

その上でこうおっしゃいました。「私、辞めてもいいです。社長さんに私の障害の事、塚田さんから伝えて頂けないでしょうか・・・」

私は、言いました。「きちんとお伝えしますよ。その上で、どのような配慮をいただけるか伺ってきます。」

 

このとき、Aさんは、今後どのような展開になっていくか〝全て、お見通し〟だったのではないか・・・今ならそう思えます。

でも、当時の私には、自信がありました。『ここは、福祉の現場。きちんと説明すれば、社長さんは理解して下さる。』

そして、社長さんに全てを私の言葉で説明しました。すると・・・

 

~次回、発達障害者の就職(2-2)へ続く~

 

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